獣人雪男

dvoix2005-05-03

 6月4日より『キャビン・フィーバー』の上映を英断してくださったシネリーブル博多駅様にて,「カルト渦巻地獄劇場」と題した日本カルト映画特集を今年もやっております。ラインナップは『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』ほか。
 で,その第1弾として上映された『獣人雪男』を観てきた。表現上の事情(「部落」発言など)によりソフト化されてないので,この機会を逃すまいと思ったんだが…。
 たしかに,公開された1955年当時は,日本にもまだ「秘境」があったということを想像させる作品ではある。多用されるスクリーン・プロセス(リア・プロジェクション)とか,特撮上の技法に関して歴史的に論じる能力がおれにはないのでそれは保留するにしても,わざわざ諸事情をクリアしてまでソフト化すべき作品でもないかと。エンディングも「それでいいのか!?」という感じ。
 しかし,そういう思い上がった選別こそが文化の雑種性を殺すのだ,とか対抗言論も思いつかなくはないんだが。秘境探検ものが好きな人なら楽しめるかも。